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求職者等へのセクハラ対策|社員訪問・インターンの連絡と相談

こんにちは。LegalAgent 代表弁護士の朝戸です。

採用面接なら、人事担当者が日時や場所を管理している会社も多いでしょう。一方、社員訪問やインターンでは、応募者と現場の社員が直接やり取りします。その連絡を会社がどのように把握し、応募者が困ったときに誰へ相談できるのか。2026年10月1日に施行される改正法への対応では、この二つを確かめる必要があります。

応募者だけに限られない対象範囲

改正後の男女雇用機会均等法13条1項は、従業員による性的な言動で求職者等の活動が妨げられないよう、事業主に相談対応の体制整備などを義務付けます。

「求職者等」には、求人への応募者のほか、会社説明会やインターンシップに参加する人、社員を訪問する人、教育実習や看護実習を受ける人などが含まれます。厚生労働省の指針は、SNSを使った連絡やオンライン上の活動も対象に挙げています。面談が社外で行われたという理由だけで、会社の対応範囲から外れるわけではありません。

問題となる性的な言動は、身体への接触に限られません。性的な事柄を尋ねる発言や、性的な内容の情報を流す行為も含まれます。ただし、会社が相談を受けた段階で、直ちにハラスメントの成立を決めつけるべきではありません。何が、いつ、どのような活動の中で起き、それによって求職活動にどのような支障が生じたのかを確認することになります。

会社が事前に決めておく事項

指針は、求職者等へのセクハラを許さない方針と、行為者への対処方針を定め、管理職を含む従業員に周知するよう求めています。あわせて、求職者等と接する際のルールを明確にし、従業員と求職者等の双方へ知らせなければなりません。

指針がルールの例として挙げるのは、面談の時間と場所、実施体制、連絡に用いるSNSの種類です。法律がすべての社員訪問に複数人の同席を命じているわけではありません。会社として連絡経路を指定するのか、社員が個人のアカウントで応募者とやり取りすることを認めるのかを、採用の実態に合わせて決めることが課題です。

相談窓口も、求職者等に知らせる必要があります。社員向けのイントラネットに窓口を掲載していても、応募者は通常それを見られません。募集ページ、面談の案内、インターンの参加資料など、応募者が実際に受け取る情報の中に相談先を示す方法が考えられます。

窓口を人事部門に置く場合には、応募者が採否への影響を心配して相談をためらうことも想定されます。指針は、人事担当者以外を窓口の担当者とする方法も挙げています。どの部署が受け付けるにしても、相談を受けた人が申告をそのまま面接担当者へ転送するような運用は避け、情報を共有する相手と範囲をあらかじめ決めておくべきでしょう。

社員訪問とインターンに当てはめると

社員訪問を会社が案内しているなら、最初に確認したいのは、日程調整から面談後の質問まで、どの連絡先が使われているかです。案内メールでは会社のアドレスを指定していても、実際には社員と応募者が個人のSNSで連絡を続けられる状態なら、案内と運用が食い違っています。担当社員に連絡ルールを伝えるだけでなく、応募者にも会社が認める連絡方法を示します。

インターンでは、採用担当者以外の社員が参加者を指導します。参加者へ渡す資料に相談先が載っているかを確認するとともに、指導に当たる社員が、求職者等も新しい指針の対象であることを知っているかを確かめます。研修を行う場合には、一般的な禁止事項を読み上げるより、現在のインターンで誰が参加者と連絡し、面談するのかを基に説明した方が、各社員の行動に結び付きます。

相談が寄せられた場合、窓口はハラスメントに当たるか判然としない内容も受け付けます。事実確認では、相談者と行為者とされる社員の説明を聴き、必要に応じて同席者や連絡記録を確認します。事実が確認されたときは、被害を受けた人への配慮、行為者への措置、再発防止を進めます。確認できなかった場合も、指針は再発防止措置を求めています。

相談の時点で選考が続いているなら、調査の情報と選考の評価を混ぜないことにも注意が要ります。調査内容を知る人を絞り、採否は従来の選考基準に沿って判断したことを記録します。なお、同法13条2項が明文で禁じているのは、事実確認に協力した従業員への不利益な取扱いです。応募者の選考上の扱いと、この規定の対象を混同して説明してはなりません。

施行前に見るべき資料は、就業規則だけではありません。募集ページ、面談案内、社員訪問の連絡方法、インターンの参加資料を並べれば、応募者に伝えているルールと、社員が実際に使っている手順の差が見えてきます。そこを埋めてから、相談窓口の案内と担当者の対応手順を確定するのが、今回の改正に即した準備だと考えます。

キーワード
労務・ハラスメント
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